子どもに権利はない、という話。

ソウルバースセラピストで産婦人科医の小林桜です。

今日は「子どもの権利はない。」ということについての話です。

ちょっと込み入った話なので、

これまでは誤解を生じるのが嫌で明文化しなかったことですが。。

良いきっかけがあり、今日は長くなりますがこのテーマでお話させてもらいますね。

それは、名作アニメ「となりのトトロ」の主人公の女の子について取り上げ

「子どもの権利」について触れている、

パッと読んで心温まるような記事のシェアを読んだことです。

「そうだよねぇ。

子どもには小さい時に子どもとして大切にされる権利があるよね。」

ときっと一般的に多くの人が思う。という記事でした。

そして、私もそう思いました。

でも、そこで私は「こうやって私たちはトリックにかかっているんだな。」

と気がつくことができました。

これはファミリーコンステレーションを学んでいなければ

気づくことができなかったでしょう。

 

その記事についてのあるコメントを読んで私はこう思ったのです。

「そうだよね~。私も小さい頃は子どもらしくいられなかった。

なぜなら父親が〇〇で、母親が△△だったし、

弟と妹に□□だったから。

私は何不自由なく育ててもらったけど

精神的には子ども時代を失ったようなものだ。。」

この思いっていうのは、私の中に根深くあるものです。

で、

「私には子どもとして子どもらしくいる権利があったのにね!」

と試しに思ってみました。

心の中で「子どもとしての権利」を主張するやいなや、

私自身が親に対して恨みがましいような、尊大な、

みるみる「大きな子ども」になります。

あ、イメージの中での話ですね。心象風景です。

 

「あ~、これだよね~。

これにハマっていたのだよ。

そして、気を抜いたら今でもすぐにこの罠にハマれるのだ。。

注意しなくてはね。。。」

これが、記事をきっかけに得た私の気づきでした。

「子どもの権利」についてあるとかないとか、

そもそも「権利」があるとかないとか、

「権利」自体人間が役に立つアイデアとして作り出したものなので、

実在するかどうかを議論するのは無意味だと思います。

 

私が注目するのは、

「子どもの権利がある」vs「子どもの権利はない」

のどちらのアイデアを採用すると

本当の意味で人は幸せになれるのだろうか?

ということです。

 

ファミリーコンステレーションというセラピーを確立した

ドイツ人のバート・へリンガー先生。90歳を超えています。

彼の鋭く深い愛の場所からの洞察は、

しばしば常識とされているものの「まやかし」を覆してくれます。

はっきり言って手厳しいです。

 

へリンガー氏と日本での師匠である小林真美(チェトナ)が

このように教えてくれました。

 

『「子どもの権利」というものはない。

そして、子どもの運命は親に付随する。」

 

あなたはこれを聞いてどう感じますか?

 

私にはとても完結で、厳しさと、尊厳が感じられます。

そして、

とても深いところから安堵感がジワリと湧きあがります。

 

親は大きく、子どもは小さい。

親が与え、子どもが受け取る。

メール講座などで度々お伝えしてきましたが、

これが普遍的な「いのちの法則」です。

 

親が産んでくれなければ誰もこの世に存在しないのです。

(少なくとも、いままでの人間の世界では。)

 

どんなにひどい振る舞いをする親でも、

親というのはあなたにいのちを与えた存在であり、

子どもは受け取ったいのちを親に与え返すことができない以上

親を超えることはできない。

 

私は産婦人科医としていつも身近に感じることですが

産む・産まないの選択はいつも大人に委ねられているし、

生まれる前、あるいは生まれてから子どもが死亡する場合もあります。

産んだ後に親によっていのちをとられる子どももいます。

それも誤解を恐れずにいうと、前か後かの違いだけだも言えます。

 

そして、どんなに痛みを持って捉えられることであっても、

いのちについてすでに起きたことはそのままに尊重される必要があり

後から外野がとやかくいえることではありません。

 

この世に痛ましいことやままならないことはたくさんあります。

それを痛ましいことを痛ましいと感じた私やあなたが、

「では自分はどうするか。どう生きるのか。」

とそこから良いものに繋げてゆくことができる。

それしかできないでしょう。

 

時間がかかっても、たとえ親が死んでしまってからでも、

一生のうちに人が親をありのままの人間として、

自分にいのちと人生を与えた唯一無二の存在として受け容れることができるなら

いのちを得た後の深い傷も癒えることでしょう。

そのためには

与えられたいのちよく生きることだけが可能だと思います。

 

 

実は、ユニセフで「子どもの権利」条約が採択される時代に

私自身思春期であり、巻き込まれるような形で子ども代表として活動に参加した経験がありました。

そういう世代ど真ん中の私は、当然「子どもにも権利はある」派だったので、

へリンガー氏の教えは本当に目からウロコが落ちることの連続でした。

 

自分より大きな存在に敬意を持つことも知らず

尊大な子どもがそのままに大きくなったような大人になって苦しい人生を歩んだのも、

今ではその理由がよくわかります。

 

ファミリーコンステレーションとの出会いを通じて

いのちに対するもっとも深い認識に開かれた今、

私自身が子ども時代に子どもらしくいられなかったこと。

これが私の運命であり、

これが私が自分の両親の子どもであり、

彼らからいのちを与えられ受け取ることができた。

この事実に付随するものだ。

という認識をする方が、

ずっとずっと安らいでいられるのです。

そして私が産婦人科医であることは

授かったいのちを産まないことを選択する人たちから

逃げられない宿命でであり、私自身の痛みでもあります。

なぜなら私は、人が生まれ生きることに貢献したいからです。

 

繰り返しになりますが、

人が生まれ出てはどんなに辛い経験をしようとも

いのちを与えてもらったこと。

そこに都合の悪いものがついてきても、

それはセットなのですから

子どもには選ぶ権利などはありません。

 

まるで子どもに選択肢があるかのような幻想を与えるのは

厳しくいうと、大人としての責任を果たしていないことでしょう。

これは子どもの万能感からくるものですが、

子どもは何かよくないことが起こると思いのほか

「自分のせいだ」と思うものです。

子どもが成長してから、

自分の生い立ちについて振り返った時、

自分の選択に間違いがあったからだ。とか、

ましてや

自分が「子どもの権利を行使しなかったから」と自分を責めても

意味がありません。

「子どもの権利」を!と思うよりも、

子どもの自分には選択肢がなかったのだ。

と理解する方がよっぽど意味のあることなのです。

 

子どもに権利がないからこそ

大人が子どもにとって、あるいは次世代にとって何が大切であるかを真摯に選び

今自分に選べるものの中から最大限良い行いをする。

それが大人のつとめである。

ということだと考えています。

 

「子どもの権利」があると考えたり、

「子どもは親を選んで生まれてくる」という考えをすること自体、

時と場合によっては痛みのある現状を救うこともあると思います。

それを私は否定しません。

 

ですが、

「子どもには権利がある」という意識を持っていることにより

実はあるがままの今の状態を受け入れられず

自分や他者を責める気持ちにつながってはいないでしょうか。

それは永遠に終わらない苦しみの罠ではないでしょうか。

 

「等身大のあなた」でいられなくしている可能性について、

ぜひあなた自身を点検してみてください。

この記事はいかがでしたでしょうか。

何か少しでも届くものがあれば幸いです。

 

私は日本とドイツでへリンガー氏自身に直接学んだことも少しですがあり、

彼の言葉はDVDや書籍からも多くを学んできました。

また、へリンガー氏のお弟子さんや共に研究した先生がたから

本当に多くのことを学び

個人としても医師としても救われてきました。

日本では小林真美(チェトナ)先生からトレーニングを受けて最も多くを学びました。

(※コンステレーションズジャパンへのリンク

とても表現し尽くせないような深い魅力があるファミリーコンステレーションは、

個人セッションやワークショップでも体験していただけますので、

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お読みいただきありがとうございました。

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