以前私が勤めていた町の産婦人科医院でのことです。
優しい院長先生が人気でいつも大勢の患者さんや妊婦さんであふれかえっていました。
ある日、珍しく私を指名して来院した女性がいました。。
その方は私のプロフィールに「日本ホメオパシー医学会認定医」
と書いてあったので診てもらいたいと思って来たということでした。
※ホメオパシー療法についてはこちらの記事を参考にしてください。
基本的には一般的な診療を行っている町の産婦人科で、
他に漢方専門医も務めていましたが、ホメオパシー療法を求めてこられる方は初めてでした。
当時日本では助産院での残念な事故をきっかけに、医療でホメオパシー療法を使うことについての批判的な空気感が色濃くなってました。
院長に相談してみると、
「自分の持っている技術を活かしたいという気持ちはよくわかります。思うようにやってみてください。」
と背中を押してもらいました。
通常の診療に差し障らないように
私の診察時間が終わってから別枠でその方に対応させてもらうことになりました。
ホメオパシーの問診は、とても時間がかかって初診で話を聞くだけでも通常60分はかかるのです。
その女性はは、カンジダ膣炎を繰り返すので不快が続くという悩みを持っていました。
カンジダ膣炎の場合、
膣内にモロモロと白いものとして増殖したカンジダ菌を洗浄液で洗い流して抗菌薬を入れる。
外陰部には塗薬を処方するとほとんどの方はよくなるのですが、
その方の場合他の産婦人科で治療しても治らず、
むしろ薬を入れると膣の不快感がひどくなるということで、ホメオパシー療法を求めていました。
初診時は、ホメオパシー療法をする前に、
薬が変われば大丈夫という可能性があるので、まず標準治療にある別の薬を試してみませんか?と提案し、
ご本人も納得されたので試してみることにしました。
けど、結局だめでした。
それ以後本人と話してホメオパシー療法の治療を行うためにカウンセリングを毎回行っていきました。
話をして薬を選ぶことを何度か繰り返していきました。
しかしその結果、
なんとなく悪くはないけど良くもならない、という状況が続いていました。
私自身も時間かけて話をきいているのに、この問題の核になる部分に触れられていない。という感覚がありました。
そこで、
家族システムにアプローチするファミリーコンステレーションの手法で見てみることにしました。
当時は、ファミリーコンステレーションを勉強し始めたばかりだったので、先生にこの症例について相談しヒントをもらって進めました。
※ファミリーコンステレーションをよく知りたい方は、私が学んだヘリンガーインスティテュートジャパンのHPを参考にしてください。
結果を先に述べると、
これが大きな転機となり、その後その女性は悩みから解き放たれ、私はとても感謝されました。
ファミリーコンステレーションのアプローチできる可能性の大きさを実感するとともに、自分が人を診る在り方についてさらに真摯に取り組みたいという動機付けになる、私にとって忘れられない出会いになりました。
・・・・つづきはこちら