【外来日誌vol.18】「子宮内膜症」卒業。女子大生Cの話。

ソウルバースセラピストで産婦人科医の

小林桜です。

重い生理痛に苦しみ子宮内膜症の診断で

外来通院していたCの話です。

 

私が外来でCに関わり始めた2年前、

彼女は大学生でした。

 

大学生といっても

飲食店などのバイトをかけもちして

精神的にも身体的にも過酷な苦学生でした。

 

生理痛は生活習慣や体の使い方に起因する

と私は考えています。

 

ですが、Cには

アルバイトでの収入は生活に重要です。

 

子宮内膜症と一口にいっても程度は様々ですが、

Cの場合は軽いものではなく

卵巣の手術療法を検討したくらいの

大きめのチョコレートのう胞がありました。

(チョコレートのう胞=卵巣にできる子宮内膜症)

破裂してしまうと厄介な状態だったんです。。

 

今、手術を受けているゆとりはない。

薬でなんとかしのぎたい。とCは希望しました。

子宮内膜症の根本原因は明確にはなっていませんが、

一般的な医学とは離れたところでいうと

 

子宮内膜症の持つテーマは

「女性性」を受け容れること

だと私は理解しています。

 

もちろん

必ずそうだ決めつける訳ではないのですが、

私なりの視点で知見を得て

実際の女性たちを診てきた経験からそういう傾向がある

ということです。

 

しかしながら、苦学生のCにとって

「女性性」を受け容れること

は遠いテーマのように感じました。。

 

実は私は対症療法として

ピルをむやみに処方する今の風潮は

全く好みませんが、

Cの場合は

学生生活を少しでも楽に過ごせるような

緊急避難的にミニピルを処方して

苦痛な状態を抑え

彼女の人生を見守っていくことにしました。

(ミニピル=黄体ホルモンのみのピル、

子宮内膜症の治療に使用される)

Cの様子は基本的に暗く

今生きるのに必死という感じの女の子でした。

はじめの1年は「女性性」のテーマが顔を出す余地は

全くありませんでした。

 

2020年に入った頃、就職活動で行きたいレジャー業界が

自粛のご時勢で厳しい。。。と、険しい様子がありつつの

 

あともう少しで卒業し社会人になれる。それが唯一の希望。

という様子でした。

 

「女性性」うんぬんの前に

「生活の自立」が必須。

という状況です。

 

卵巣にできたチョコレートのう胞は

縮むこともなかったけど増大もせず、

私もそのままCを見守ることにしました。

それ以後、Cは2ヶ月に一度外来に通院して

近況を話して処方を受け取って行きました。

それが2年間続きました。

 

そして2021年に入ってすぐ、

診察室に入って来たCの様子が

違うのがわかりました。

 

C「就職決まりました。」

 

お! なるほど。。

だから明るいんだ。髪の色も化粧も違う。。

若い女性の華みたいなものが

ごく自然に現れていました。

そんなCは2年間で初めてみました。

 

私「おめでとう!!頑張ったね~~。」

C「はい。これまでマジで辛かったです。

ようやく解放されました!」

その後、

大学卒業前の最後の診察でエコー検査をしたら

半年前まで卵巣にできていたチョコレートのう胞が

全く消えてなくなっていました。。

 

おお~~。C、やるじゃん。

 

薬が効いて治ったんでしょう。

といいたい人もいると思います。

 

でも、

私はことの本質は違うところにある思います。

 

Cのたましいは一番大変なところを

自力で通り抜けたんです。

 

Cは本当に「卒業」したんです。

 

もう「創造性」という生命力を

骨盤の中に抑え込みためておく必要はない。

 

もう「子宮内膜症」のパターンは不要になったんです。

 

通院や療法がサポートしたのは事実ですが

癒える力を持っていてそれを発揮したのは

C本人です。

 

これからは「社会人」を楽しんで

女性としての人生も楽しめるようになるでしょう。

 

そんなCの少し先の未来が

私にも感じとれるようでした。

 

晴れて社会人になったばかりのCは

 

「就職したばかりでまだ自信がないから

薬は続けたいけど、次は卒業宣言しにきます。」

とのこと。

 

楽しみです。

 

「たましいの成長を見守る産婦人科医。」

そう看板にタイトルを掲げている私。

Cのおかげで本当の仕事がさせていただけた!

という感覚です。

 

Cちゃん。

おめでとうございます!

そして、ありがとう。

人生めいいっぱい楽しんでね♡

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