愛しい君、お産よ。
社会人3年目から
私は産婦人科を専門にするトレーニングを
大学病院Aで始めることになった。
なぜ特に縁がないAに行ったか問われることがあるが、
流れでとしかいいようがない。。
浪花節とA産婦人科医局という
組織運営側の都合が発端で流れが始まり、
3年目以降の進路をまだ決めてなかった私は
結局その流れに乗っかることにした。
でも実は、Aは、内科医だった祖父の母校だった。
祖父は私が大学生の時に亡くなっていたが、
導きかな。と感じることも特に仕事面の節々であるので
偶然に、というわけでもないんだろうと思う。
私は、Aの医局員になり
産婦人科医として育ててもらった。
以後5年間、お世話になった。
その期間については今でも簡単には話せないくらいの
人生で一番しんどい時期だった。
でも、たくさんの時間を君と過ごした
という意味では幸せだったと今は思う。
味に例えると甘くて苦い。
ギリギリ死なずに済むくらいの毒物を
5年間取りつづけたみたいな感覚が残っているよ。笑
初めの1年間は特に、君とは必死で戦った。
産婦人科医としてどうなりたい。
というヴィジョンなんて全くなかったが、
どんなジャンルに行こうとも
君とそこそこ付き合えることは
産婦人科医としての基本的な条件だ。
みんな君を「こなす」のが普通のことだった。
それでも、当時のAは良かったな。と今は思う。
大学病院の産科としては牧歌的ムードがあり、
他ではリスクがあっていやがらていた
骨盤位や既往帝王切開の経膣分娩なども
まだ取り扱っていて、
まあ、やれることはやろうよ。
っていうプリミティブな感性が残っていた。
今の若い先生たちは
もうそういうことを経験することがないだろう。
今の産科医療の基本的なムードは
君は元々リスキーな存在であり、
さらにリスク因子が増えたら、とにかく管理する。
みたいな風なんじゃないかな。
笑
まあ、マッチョなシステムで君のことをどんなに考えても
そんなもんだと思うよ。
話はそれるけど、コロナのことだって
人を死なないために管理しまくって
人は本当に幸せなのか?
生まれることもリスクで
死ぬこともリスクで。
生きることも死ぬことも不自由な医療って、
一体どうなってるんだ?って。
思わないのは、まだまだマッチョなシステムの上に
私たちが暮らしているから、仕方ないんだろう。
Aの分娩室には
恐怖というものが基本的に渦巻いていた。
私もまだ君の正体もわからず
どうやって君と付き合いたいか
何をやっているのか、わからないままだった。
分娩監視装置を見たり
会陰切開をしたり縫合をしたり
新生児のアプガースコアをとったり。
緊急帝王切開の手配をしたり
運び込まれた母体救急患者の対応をに追われた。
君とつきあうのはただ手を体を動かすしか
あの時は知らなかった。
君を待つことや、君を感じること。
そして、君を信じること。
それも大事だってことは誰も話さなかった。
マッチョな「医学」では枠外だから仕方ないね。
何かに非常に違和感を感じていた。
そんな違和感を感じている自分の資質を疑っていたから、
さらに苦しかった。
朝昼晩と病院で過ごし、周りの人と同じように
君を「こなす」のに精一杯だったんだよ。
今更あれはいいとか悪いとか
言っているんじゃなくて、
私は君と過ごした思い出について
今、語っておきたい。
それだけの気持ちなんだ。
スマートではなかったけど、君を愛していた。
追伸:いま、4/1おたんじょう企画の準備中。
仲間と余興の相談したりで、楽しみだ〜。
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