【外来日誌vol1】キムチ屋のおばあさん(90)

私の外来に来てくれる90歳のおばあさん。

初対面の時がとても印象的で、

私を見るなりいきなり

「まあ!キレイな先生や。。」と言って。

帰り際にもまた

「はー、キレイな先生。」と言って。

目見えてないのかもしれないけど、心の目で見てる?とか。笑

でも、やっぱり、、

嬉しかったです〜。笑

私の外来では、はたから見たら無駄話に思われるような診察と直接関係ない話を患者さんとします。

これは私の診療スタイルで、患者さんの全体性を理解するための大切なことなんです。

で、そんなこんなで、この方は近所で評判のキムチのお店を開いているという話から、

今日は手製のキムチとナムルをたっぷり差し入れてくれました。

 

そしてこう言われました。

「本当に丁寧にみてくださる。おかげでとても良くなっています。

素晴らしい先生!!ありがとうございます。感謝しています。

私の息子は〇〇病院の外科医でよくやっています。だから、先生がよくやっている先生だとわかりますよ!」

そして、

「はー、キレイな先生!」とため息をついて帰って行かれました。笑

はい。

私は確かによく患者さんの話を聞いて、

少し他の先生より丁寧に人をみているかもしれません。

患者さんにどう見えるかを意識するようにして、

最近は少しこぎれい?にしているかもしれません。(以前は無頓着でした。)

ええ。まあ。

でもこれ、自慢話をしたいではなくって。。

いや、ちょっとだけしたいかも。きれい!って連呼される体験は人生で数えるほどしかないですから。。笑

この方が教えてくれたこと、私にはそれ以上の深い学びでした。

それは、そう、私がみなさまにお伝えしたいコアメッセージ

「いのちの本質は愛」

というにつながるものだったのです。。

この在日コリアンのおばあさん。

特に聞いたわけではありませんが、きっと日本で生きていくのにはいろんな大変なこともあっただろうと思います。

体に多少の不自由あれども、いまだにキムチの仕事もしていてとてもハツラツとした方。

こうやって目の前で関わる「自分にとって大切な人物」、

それはこの場合健康を助ける医師や看護師だったり、

きっとお店に来るお客さんだったり、ご家族や、ご近所さんだったり、に対して、

とにかく、一瞬のためらいももなく、

賛辞や感謝や正直な気持ちを表現して伝えること。

ちょっと大袈裟なくらいで!

その行為はなかなかパワフルなものです。

そして贈り物までしちゃう。

パッと初対面で相手の「光」「すばらしさ」をみることができ、

それを言葉や贈り物にして伝えて、相手に喜びを与えることができる。

このオープンさ、

この率先して「愛を与える」行為、

これこそが、この90歳の女性の生き抜いて来た力、

すなわち「生命力そのもの」である。

ということ!!

自分から率先して愛を表現し、愛を与える行為。

それが自分自身を生かす力になる。

「いのちの本質は愛」という法則がここにも見えた!

うーん。さすがおんとし90歳!

深い在り方です。

『他者の光を見ること。

他者に賛辞や感謝を伝えること。一瞬のためらいなく!』

メモメモ。

うーん。。。やられました!

だからこの仕事は面白くてやめられない。

ほんと、一人一人とまっすぐ関わっていくと面白いことばかりです。

今日もどんだけ笑顔になったことか。。

これからこういう気づきを【外来日誌】として記録していこうかな。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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