【お産蜜月 第八話】君の「文化」。

愛しい君、お産よ。

産科医大野明子先生の本

「分娩台よ、さようなら」を読んで、

私の目から鱗がポロポロ落ちた。。

 

分娩台ありきの産科医療に感じてた違和感がなんなのか

自分でよく理解でき、私は心底安心した。

 

そして、君を見る私の視界が本当に明るくなった!

 

君が良く見える幸せを存分に味わえるようになったのは

Aの医局員になって2年目のこと。

 

出向した先の一般病院Bで過ごした1年間は

本当に温かい思い出でいっぱいである。

 

Bへ出向が決まって、前任の同僚男性医師が

「桜先生、Bの師長とケンカしないでくださいよ~。」

と言ってくれたのが今急に思い出されたよ!

 

Aでは特定の上司とよくぶつかってたから

心配されたんだけど。。笑

 

その同僚の心配とはうらはらに、

私はBの助産師たちと仲良く過ごした。

 

みんな、お産や「母性」が好きだったから。。

Bでは、ロングストロークの呼吸法を取り入れた

ソフロロジー式分娩法というスタイルのお産を採用していた。

 

助産師・看護スタップがお部屋の前に張り付いて

母子同室による母乳育児を熱心にサポートしていた。

 

好きであること。情熱。献身。

 

そんな「文化」の中で

新米の私は、とても安心して過ごした。

 

普通のお産。当たり前のお産。

それをたくさん経験させてもらったし、

自分が外来で妊婦健診を担当して、その人のお産を担当する。

ということも経験するようになった。

 

経過が順調な人は、妊娠中になるべくたくさん

体を動かしてもらうことも自分から指導できる環境で、

助産師たちも健診から熱心に関わっていた。

 

大学病院Aではハイリスクな妊婦さんが多いのもあってか

やたら安静にするよう指導されている。

結果、産む女性としてのからだの機能が開かないままに

産み月を迎えて、難産傾向になる。。

というパターンばかりみられた。

 

本来、安産は作れる。

君の安らかさは、

現代人でもちゃんとやればかなりの部分作れるのだ。

と思えた。

 

Bの指導医たちも、寛容な人物揃いだった。

もちろん意見や指導はするが

私の方針を見守ってくれて、

私に経験させ自信を与えて成長を促してくれた。

 

私が外来から診ていた双胎妊娠(ふたご)の妊婦さんで、

今でも思い出す思い出深い女性がいた。

 

分娩誘発するときに、なかなか陣痛が強まらずに

 

もう切った方が(帝王切開するの意味)

いいんじゃないか?

と指導医たちに気にかけられながら、

新米の私が、

いや、もう少し待ちます!

と、主張し陣痛促進剤を投与し経過を見守れた。

 

結果、無事経膣分娩でふたごが生まれたのが

平日の16時くらいだった。

そこから、特にその直後の数時間は

急変する可能性もある。

 

熱心にお産を取り扱うほどに産科医の拘束時間は長くなる。

 

ガン自己治癒で今も有名な物理学者のおじさんに

医者は、死ぬほど働いてくれ。

そう言われたことがある。

表では癒しでもてはやされててもダメだな。

って思う人物をたくさん見てきた。

 

産科は当然夜も稼働するので

当直も、かなりの頻度になる。

 

情熱。献身。

産科医療者のそれなくして成り立たないシステムである。

 

医師になって4年目にして

君と信頼関係を結べるくらいまで

私を育ててくれたBの産科スタップたち。

そして妊婦さん、患者さんのことを思い出したら

やはり胸が熱くなるよ。

 

Bについてきくところ、今はもうお産の取り扱いは辞めたそうだ。

実のところ、そんな話ばかりである。

 

医療者の情熱や献身だけでは回らない。

 

お金があれば経営面で解決できることもあるかもしれない?

 

人が生まれる。そこにお金がかかりすぎるんじゃ

厳しすぎる気もする。

だから、管理する。

 

君の全体像について、

これまでの医療とか医学だけでは

これを扱いきれるわけがない。

 

失われてしまい取り戻せない類の

君の「文化」的側面に

もっと関心を向けられるまで

「社会」が成熟する必要があると思う。

 

君なくして、誰もここには存在していないことを

知らない人はいないだろうに!

 

ブツブツ言って、ごめん。

追伸:八重山ミンサー織りの帯が気に入っている。

「いつの世もいっしょに」と祈りを込めて女が織るんだって!ステキ。

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