【外来日誌 vol19】老年期女性。夫婦生活のご相談。

ソウルバースセラピストで産婦人科医の

小林桜です。

Mさんは80才、細身の女性です。

健康診断という名目で受診。

ひととおりのことを終えた時、

「実は、、」

といって、ようやく性生活のお困りごとについて

話し始められました。

 

セックスの悩みというと、

男性のEDは30代くらいから自覚される方も

最近では増えているようです。

女性の方は、

性交時の痛みや不快感についてのが多いです。

 

実際にMさんのように

相談するに至る方はごくわずかでしょうが、

産婦人科外来では性生活のお悩みをご相談されるのは

稀なことではありません。

 

でも、80代のご夫婦の性生活について

実際にご相談を受けたのは私は初めてでした。

Mさんの悩みはやはり性交痛です。

 

「痛いから困っている」というだけでなくて

「最近ようやく元気が出てきた夫を

受け容れたいんです。

どうしたらいいでしょうか。」

という明確な意思を持って、

まっすぐに私に問いかけてこられたのがとても印象的でした。

 

Mさんの腟は、

加齢と廃用と言って使われないままでいることで

萎縮していました。

 

腟や外陰部の萎縮に局所的に作用する

エストリオール腟剤の処方と、

マッサージオイルでの腟と外陰部の

セルフケアをするようにとお伝えしました。

 

2週間後。

「おかげでうまくいきました。

とても嬉しいです。夫もとても喜んでいます。

本当にありがとうございます。」

と、目に涙を浮かべて喜んでおられました。。

Mさんの夫は、

がんを患ってしばらく闘病されたそうです。

 

元気なときに湧き出ていた夫の精力。

 

妻であるMさんには

必ずしも歓迎されたものではなかったものの、

 

死を意識させられるような病を経験して以来、

再び夫の精力が湧いてくることは

妻の自分にとっても本当に嬉しい出来事で、

自分も夫に応えられるようになってとても満足してる。

 

とお話になりました。。

 

さらには、

夫婦からいのちが受け継がれ、今では孫もひ孫もできて。。

いのちをつないで

「グランドマザー 偉大な母」になった女性が味わう

誇りやよろこびも同時に語っておられました。

 

性と生命について、

まっすぐにそのよろこびを捉えておられる

Mさん夫婦。

そのようなご夫婦を間近にみて育つ若い世代には、

例え語られなくても

生きることへの何かすばらしい秘訣が

受け継がれそうですよね。

今回Mさんにオススメした

性器へのの優しいタッチや

マッサージオイルを使ったセルフケア。

 

本当にちょっとしたことなんですが

習慣になっている人はまだ少ないと思います。

日頃から意識を向けられているのと

そうでないのではからだの働きが変わります。

セックスや排尿、子宮脱の予防など

重要な骨盤底の機能のみならず、

若々しさやバイタリティを保つ

大切な習慣として、

みなさんにオススメしたいことです。

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