【お産蜜月 第十二話】「当たり前のお産」を実践する先輩医師。

愛しい君、お産よ。

 

大学病院Aにいた時に出会った産婦人科医の中には

いろんな人がいた。

自然分娩に熱心に取り組む感性を共有できたのは、

出向先からAに帰ってきた産科病棟医長O医師だった。

 

女子当直室に、のちの私のバイブルとなった本

「分娩台よさようなら」が置かれていたのも

O医師から手渡されたもの、と別の女性医師から聞いた。

 

医師5年目、産婦人科医3年目の私は、

日本産婦人科学会の専門医になるためには

習得すべきことは幅広い領域にあったにもかかわらず、

心から興味惹かれることは

「当たり前のお産」の分野だった。

 

そこは産科医療でほぼ見られていない

見失われた領域だったから、なおさらだった。

 

君と産婦に寄り添うことで

その女性のいのちとしての最大限を発揮できる。

ということを知っている産婦人科医は、ごくごく稀だった。

 

そう、みんな知らないのだ。

 

そんな流れから

O医師と、助産師のO夫人が

「分娩台よさようなら」の著者

大野明子医師に連絡を取ってくれて、

私も一緒に会いに行くことになった。

 

今はもやっておられないけど

当時、大野医師は東京で明日香医院を開設していた。

分娩台も帝王切開のための手術場もない

産婦人科医院であり、

妊娠出産の経過で少しでも異常があると

継続できなくなってしまう立場の助産院とは違い、

当たり前にお産できる可能性がより多くある。

私は大いに憧れた。

これは偶然ということではないんだろうが、

佐賀で学生時代を過ごしていた時

誘われて観たドキュメンタリー映画

龍村監督の「ガイアシンフォニー 第2番」に

大野医師その中の登場人物として描かれていた。

 

その時、

日常の延長にある君をお世話する

白衣ではなくエプロンをつけて診療する

大野医師の産科医としてのの姿を映画内で見たことは

私の潜在意識に強く残っていたのだろう。

 

こうやって、今あらためて君との思い出を振り返ってみると

初めてつながりを持って見える。

 

お家で産む「ホームバース」的な側面を最大限にした

分娩台を持たない施設実践者は

医師では他には知らない。

 

その大野医師も、

産婦自身の産む力が弱くなってきてて

なかなか厳しい。と、すでに当時から言っていて

そうなのかな?と薄ぼんやり思っていたが

今は、それを肌感覚で感じる情勢だ。

 

「分娩台よ、さようなら」は

著者とリアルにお会いすることで

内容に対しての確信も深まった。

 

私は、そこに書いてあることを手がかかりに

妊婦さんたちに関わるようになった。

 

不安になり、安静にしがちな妊婦さんも多く

産科医もリスクを避ける方向性ばかりで

身体機能を積極的に高める方向性にはなかった。

 

しかし、

現代的な都市生活を営んでいる我々が

本来のいのちがけの体の機能を

最大限発揮するためにからだを鍛える必要がある。

 

例えば、よく歩くことは簡単だし非常に有用で、

「分娩台よさようなら」にある

初産婦は3時間、経産婦は2時間

1日のうちに歩くようにすると(ただし元気な時!)

安産が創られていく。

 

産科医は変わってあげられない、ただの励まし役であるが

やるとやらないでは全く結果が違う。

 

依存的で不安感の強い人が多く受診する傾向にある

大学病院であっても、

私が外来で妊婦検診を担当した人は

病棟でお産する時にお産がスムーズに進む傾向にある

と、実際に分娩を担当することが多い

若手の医師も言っていた。

 

それに、私も38才で初産だったが、

理想的といわれるくらいの安産であった。

(私のお産についてはまたのちに触れたい。)

 

簡単にさらっと読めるような本ではないが

これから君を迎える人たちに向けて

この本は書かれいる。

 

君に関わる産科医療者も

これから君を迎える人たちにも

ぜひぜひ読んで欲しい本。

 

というわけで、

私にとっての大野明子医師は

この人がいなければ

人生を生きられたかどうかわからない。

というほど、重要な存在。

 

ちなみに、

今でも私のことを時折気にかけてくれて、

私のブログを見つけて読んだ。と、

先日大野医師からのメールに書き添えられていた。。

顔から火が出るくらい恥ずかしかったっす!!

苦笑

 

愛知県岡崎市にある

自然分娩の実践で唯一無二の存在「吉村医院」。

院長 故・吉村正先生に私が電話をかけたのは、

その少しあとのことだ。。

 

君につかえる純粋なたましい。

先輩医師たちとの出会いに感謝。

追伸:美しく調和的な妊婦さんに会いに名古屋へ。

お家でお産するんだって。楽しみ〜。

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